みんなを未来へ乗せていく

自分の親が昔どんな人で、二人はどういうふうに出会って結婚したのか
あなたは知りたいと思いますか?
私は親から聞かせてもらったことがないが
「昔お父さんとお母さんはね・・・」と教えてもらったことがある人もいるだろう。
しかしそれは美化した記憶かもしれない。
記憶というものはその人によって良くも悪くも覚えることができるものだ。
さらに言えば嘘を教えられてもわからない。
じゃあどうすればわかるのか。
おじいちゃんおばあちゃんに聞いてみる?
親のお友達に聞いてみる?
でも情報量も少ないし、聞いた話の信憑性もわからない。
でも今ではこれが限界なのかもしれない。
しかし自分の目で全てを知ることができるとしたら。

彼は知り合いの科学者の博士が作ったタイムマシンで過去に飛んでしまう。
そこは自分がまだ生まる前、両親の学生時代だ。
二人が出会う前の自分が生まれ育ったのと同じ街。
しかし自分が知っている街とは違う。
建っているはずの家はなく、平地が広がっている。
壊れているはずの時計が、時を刻んでいる。
そこにいる自分の親が、自分と同じくらい若い。
二人に接触してしまった彼は、ある1つのミスを犯してしまう。
その1つミスから自分や家族に影響を与えてしまい
生死に関わるような事態となってしまった。
その危機を脱するために、彼は親の愛のキューピット役に奔走する。
それと平行して彼は自分の元いた時代に帰るために
タイムマシーンを作ったこの時代の博士に会いに行く。
この時代にはまだタイムマシーンは完成していなければ設計図も出来ていない。
だが未来からきた彼の記憶から突破口を見つけ
そこから帰るための準備を始めることに。

   

過去に行きたい理由は
何かを見てみたい、その時代を体験したいだけではなく
過去を変えにいきたいという人も多いだろう。
だが歴史や自分の過去を変えてしまうということは
未来を変えるということ。
それによって自分の存在も、幸せな未来の出来事も危ぶまれることになる。
過去を変えるのは良いことだけではなく
恐ろしいことに直面してしまうということを伝えられた気がした。
だがそれをわかっていたとしても
タイムトラベルというものにはロマンがある話。

タイムマシーンという言葉は
私達日本人にとっては他の国と比べると少し近く感じる言葉ではないだろうか。
それは国民的アニメ、ドラえもんの影響だ。
言葉としての距離は近いのだが、存在としてはどうだろう。
ドラえもんの設定は生活環境など私達に近い普段の生活だが
ドラえもんに出てくるタイムマシーンは、引き出しの中に存在する時空間を走る道具だ。
こんなものがあればいいなと思う憧れの道具であり
アニメの中の世界でしか存在できないとみんなが思う。
距離としては遠い存在なのではないだろうか。
しかしこの映画のタイムマシーンにはフューチャー(未来)を感じる。
この映画を観ると、もしかしたら近い未来にタイムマシーンができるかもしれない
そういう期待を抱かせてくれる。
それはなぜだろう?
この映画はスター・ウォーズやスタートレック、アバターと同じSF映画だ
アニメの世界とさほど変わらない。
しかし前述のSF映画は現実離れしすぎていて
映画という作り物の中だけの夢のある話としか思えない。
しかしこの映画のSF要素であるタイムマシーンは
車を改造し、私には理解できないような難しい科学を用いて作っている。
その科学が現実的じゃなかったとしても、数式的に不可能なものだったとしても
学がない私には納得させられてしまう。
そこが私達に近いと思わせる。
頑張って手を伸ばせば届きそうな話だからこそ
近い未来、自分が生きているうちに本当にあるかもしれないという希望をくれる。
この映画の近さはSFと現実が乖離しすぎず
ちゃんとSFが現実に溶け込んでいるところであり
観客が映画に入り込む要素でもある。

   

アンプからの爆音、お父さんのクセのある笑い方、ドグが撃たれる。。。
何回も観ている作品だから、ストーリーの流れも伏線も結末も全てわかっている。
しかしあのテーマ音楽が流れると
「始まるぞ」「くるぞ」って観ている方のボルテージを高めていってくれる。
今からタイムトラベルのハラハラした世界に一緒に連れて行ってくれる。
未来にはこんなすごくてかっこいいものができるんだと
目をキラキラさせたあの子供のときに戻らせてくれる。
毎回興奮し、夢を見させてくれる。
そして次への期待を高めるあのラストは、ずるいとしか言いようがない。
次が観たいと逸る気持ちを抑える。
私が物心ついたときには
もう3作品全てDVDやVHSで販売やレンタルがされていたので
観ようと思えばすぐにでも観られるという幸せな時代になっていた。
しかしこの次回作への期待感をリアルタイムに味わった人が
私は羨ましく思う。
待ちに待って観るというあの興奮を味わえないのは
いつも損しているように感じるからだ。
だからこの期待がこもった興奮をもう少し味わうために
すこし期間をあけてから観ることにする。
それから未来という冒険へ出かけよう。

バック・トゥ・ザ・フューチャ

作品概要
https://eiga.com/movie/47965/

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