不器用な愛の暴走

彼は今まで愛されず愛せなかった。
そんな彼が彼女を愛しすぎたこそ
暴走してしまった。
だって知らないから。
そんな不器用な彼が彼女を愛しすぎた末路。
彼が自分で思っているほど醜くないことに気づけていたら
彼女の心はどうだっただろう。
彼女のキスは哀れみからくる愛のあるものだった。
彼はそれに気づけた。
自分の欲しかなかった彼は
最後本当に彼女を愛することが出来たのだと思う。
彼女の為に曲を作り
彼女の為に指導し
彼女の為に捧げてきた。
そんな彼は彼女の為に彼女の幸せを選んだ。
愛しても愛しても届かぬ恋はある。
でもそれは見た目が悪いからというわけではない。
彼の場合は心が醜くなってしまったから。
彼が昔のままの歌の天使でいたならば
彼女はあそこまで怖がらずにいたはずだ。

オペラ座の怪人

作品概要
https://eiga.com/movie/1140/