自分がいない世界の迎えかた

この映画は「生きたい」と思わせてくれる作品ではなかった。
でも「しなくちゃ」と
「やらなくちゃ」って思った。
私は人より経験していることが少ないと思っている。
周りから見ればそうじゃないのかもしれないけれど
実際はそうではない。
一人で出来ることは人より多く
自立している女に見えると思う。
でもそれ以外出来ない。
私も余命を告げられれば
彼女みたいに躊躇なく行動を起こせるのかもしれない。
目標を立てても危機感が湧かない。
それは自分の時間が減っていっていることに
ちゃんと気づいてないからだ。
それがわかっていたとしても
実感がない。

経験したくても
もう経験出来ないことも多い。
特に学生時代の青春がそうだ。
その時にしか経験できないなんて
その当時は知らなかった。
親や先生には言われた気がするが
もっと強く言ってほしかった。
少し後悔しているが
仕方がないと諦める。
でも時折後悔を吐き出したくなる。
なぜ、なぜ。
なぜ私には出来なかったのか。
それくらいの叫びは許して聞いてほしい。

生きている間にしたかったこと。
明日事故や殺人で死んでしまうかもしれない。
だから私も考えてみよう。
思い浮かんだ一番したいことは死んだあとの身辺整理。
お葬式とか銀行のこととか。
なんか夢がない。
子供もパートナーもいない私には
10もしたい事が見つからない。
あったとして5もいかない。
欲がないのか。
はたまた絶望しているのか。
それとも満たされているのか。
彼女みたいにメッセージを残さないといけない人はいない。
会いたい人も心配な人もいない。
彼女がすごく羨ましい。
誰かを思いながら死ねるなんて
彼女は幸せな最後だった。

彼女は体と一緒に時間も感じていた。
彼女の時間の速さが生きている実感を加速させていた。
時にはその時間から逃げて
もうひとつの世界を楽しんだ。
それは彼女にとって生きぬくために大切だったのだと思う。

どうしようもできないから
誰かのためにどうやって死んでいくのか。
それもしたいことの1つだ。

死ぬまでにしたい10のこと

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