ビートルズのラヴレター

この恋愛映画で私は号泣した。
主人公が失恋したからでも、恋が実ったからでもない。
2人のダンス、それはまるで青春を取り戻したかのようだった。

事故の瞬間に起こった停電はひずみを起こした。
彼はビートルズの名曲たちを最初はどのように歌っていたのだろうか。
何かが変わるということは、何かが起こらなかったかもしれないということ。
自分が前の世界の記憶を持つ少数派だったら、どの気持ちが一番強く出るだろう。

音楽や映画の芸術品というものは、やはり生活必需品ではない。
だがあの時のあの曲やあの映画が存在しなければ今の私は存在しない。
あの時あの曲がいてくれたからこそここにいる、それをあの2人から思い起こさせられた。
名曲に彩られた映画だが、喪失感、そして喜びを感じた。
あの日、あの時、あの場所、あの車。
思い出の中には音楽がついてくる。
悲しみを一緒に寄り添ってくれた曲。
私は何度助けられたか覚えていない。
2人の男女の恋愛と共に進んでいくが、私に観えていたのはそっちではない。
別の2人の男女。
私が心惹かれたのはそっちのストーリー。

イエスタディ

作品概要
https://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/yesterdaymovie/